おもちの日記

不妊治療の振り返り、現在の育児のこと、趣味のことを綴ります

不妊治療2:顕微授精を始めるまで

男性不妊の先生を受診

精液検査で残念な結果を得た私達夫婦は、院長先生のすすめてくださった通り、男性不妊泌尿器科の先生を受診しました。

ここではじめて、男性不妊を扱うのは泌尿器科であることを知りました。

血液検査の結果から、夫はいわゆる男性ホルモンが少なめであることが告げられました。鬱であってもおかしくないレベルとのことで、「落ち込むことが多くないですか?」と聞かれていました。私との喧嘩中や不妊治療のこと以外で、夫が落ち込んでいるのをあまり見たことがありません。変わり者の夫らしいな、と思いました。クロミッドを服用することで、男性ホルモンを増やし、精子数を増やして元気にすることができるだろう、とのことでした。

また、私がいったん席を外したところで内診をしていただき、軽度の左精索静脈瘤が診断されました。こちらも、手術をすることで、精子の質が改善されるということでした。大変人気の手術で、半年先まで予約がうまっているとのことでしたので、確かその場で即決していたように思います。

先生からは、手術は待たずに、すぐクロミッド服用を開始して、できるだけはやく、次周期にでも顕微授精にトライしてはどうかと提案がありました。

手術をしたとしても、効果が確認できるまでに半年くらいはかかる可能性があり、それを待っていられるほど私は若くないということでした。また、手術前に顕微授精がうまくいったとしても、第2子を考えるなら手術はむだにはならないだろう、というお話もありました。

私達は先生の提案を受け入れ、顕微授精をすることにしました。

また、夫は、クロミッド服用の経過を診ていただくため、月に1回こちらの先生を受診することになりました。

 

顕微授精を始めるための下準備

私は、自分達が顕微授精にトライすることを、2人の人に打ち明けました。

1人は会社の同期で、とても仲の良い友人です。

彼女自身も過去に不妊治療をしていましたが、諸事情により治療を続けられなくなり、悶々としていたときでした。彼女は確かタイミング法までしか経験がありませんでしたが、彼女の学生時代の友人には顕微授精で子供を授かった人も複数いるようで、よく情報交換をしていました。

彼女は、近い将来、自分も体外受精に取り組む可能性があるから、この会社でその道を拓いて欲しい、応援している、と言ってくれました。

私が打ち明けたもう1人の人は、直属の上司です。

治療をはじめるまでの私は、よく食べよく飲み、しゃかりきに働くタイプでした。仕事が楽しく、ナチュラルにたくさん残業し、すすんで国内外問わず出張していました。顕微授精を進めると、これまでのような働き方が突然できなくなり、急な早退・遅刻、休暇取得が増えるため、話を通しておく必要があると考えました。

上司に面談を申し込み、不妊治療をはじめることと、来月の早退・遅刻、休暇取得の見込みスケジュール、そのスケジュールも直前になって前後にずれる可能性があることを伝えました。

上司は女性の部下を持つのも、不妊治療をする部下を持つのも、恐らくはじめてだったと思います。当時、不妊治療に対してどれくらい知識をお持ちだったのかわかりませんが、私の人生において大事なことだと思うから、と理解を示していただき、ひとまずホッとしました。

上司にこれらの説明をする際、声の震えが止まらなかったことをよく覚えています。何ならこれを書いている今、思い出して半泣きになっていることから、何かしら心に傷を受けていたのかなあと思います。

不妊治療を受けたいということは、当然妊娠したいということです。来月治療をしたいということは、うまくいけば9~10か月後からしばらく長期休み(産育休)をとりたいということです。そんな、職場にとって迷惑しかない希望を申し出なければならず、申し訳ない気持ちしかありませんでした。

友人と上司の他にも、本当は一緒に仕事をしているチームのメンバーにも打ち明けられると良かったのですが、若い独身男性が多いこと、私の夫のことを知っている人が多いことから、その頃の私には言い出せませんでした。