不妊治療3:はじめての顕微授精
ショート法
はじめての顕微授精は、院長先生にすすめられた通り、ショート法で行うことにしました。
私に特に問題が見つからなかったこと、男性不妊であれば受精卵が育たないこともあるので、たくさんとれる方法がよいということもおっしゃっていたと思います。
正直なところ、はじめての周期は淡々と進んだので、あまり記憶に残っていません。毎日の投薬で徐々に身体はしんどくなっていきましたが、この頃はそれほど仕事も忙しくなく、また、妊娠できるかもしれない、と希望に満ちていたので、気持ちはつらくありませんでした。
生理が始まって採卵までは、1日3回ブセレキュアを吸い込みつつ、注射のために通院してから出社する生活を送りました。病院は自己注射も許容しているようだったのですが、私はもともと採血や注射が苦手であったため、通うことにしました。
はじめの3日間はゴナールエフ、次の5日間はHMG、最後の1日はフェリングを注射してもらいました。3日に一度診察があり、先生が卵の様子を診ながら注射の内容を調整されていました。
卵が育ったところでHCGを射ってもらい、採卵に臨むことになりました。
採卵前日は通院もなく、久し振りに仕事がはかどるなあと思いました。
採卵
採卵の日には1つだけアクシデントがありました。夫が朝自宅で採精していたのですが、自分で傷付けて血が混じってしまったので、手で取り除いたと言っていました。どれほど影響が出るのかわかりませんが、私のお腹にたまった大量の卵は採ってもらわないわけにはいかないし、採った卵を受精させずにおくわけにもいかないと思ったので、予定通りに採卵に臨むことにしました。
卵の数が多いので、採卵は全身麻酔で行われました。私はそれまで、全身麻酔は勿論、入院すらしたことがなかったので、大変緊張しましたが、意識が戻ったときには採卵が終わっていました。麻酔がとけてしばらくすると、やはりお腹が痛くなってきたので、ベッドでゴロゴロしていたと思います。
初の採卵は17個でした。
病院を出た後は、身軽になったのがなぜか嬉しくて、調子に乗って午後から出社して仕事していましたが、さすがに頭痛や発熱がおそってきたので、早退し、次の日も休んでしまいました。
移植
採卵の後は黄体ホルモン漬けの日々が始まり、1日3回座薬をいれつつ、3日に1度注射に通いました。
受精卵達は、初期胚までは調子が良かったのですが、胚盤胞まで育ったのはたったの3つでした。
採卵の5日後に、一番できの良い子を移植しました。
移植は麻酔をしないのですが、最初に入る消毒の器具がとても痛かったです。
採卵のときと違って意識があるので、移植後、看護師さんが片付けをされてる間、同じ部屋の中でパンツを履くのが妙に恥ずかしかったのを覚えています。更にHCGを射ってもらって帰りました。
先生に特に指示されたわけではありませんが、移植の次の日は休みをとってゴロゴロしていました。
判定日
この頃はまだ判定日まで身体の症状を気にし過ぎることなく過ごせていたと思います。
移植の8日後に判定日があり、HCG6.7であえなく撃沈しました。
特に根拠もなく、この1周期で成果を出す気満々でしたので、とてもショックでした。
このあたりでようやく、自分達が不妊治療の沼に片足突っ込んでしまったことに気付きました。