おもちの日記

不妊治療の振り返り、現在の育児のこと、趣味のことを綴ります

不妊治療19:男性不妊専門のクリニックを受診

説明会に参加

2つ目のクリニックでの通算6回目の移植が着床せずに終わった私達は、もう少し正面から男性不妊と向き合うべく、秋葉原にある男性不妊専門のクリニックの説明会に参加することにしました。

説明会には夫と2人で参加しました。雑居ビルのワンフロアがクリニックになっており、私にはあまりに入りづらく若干腰が引けてしまいましたが、入ってみればなんということもなく、普通の清潔感のあるクリニックでした。私達の他にも数組の夫婦が参加していました。

説明会の内容の詳細は忘れてしまいましたが、数十回顕微授精を繰り返しても、精子の状態が悪ければ授からないこと、顕微授精では見た目で精子を選ぶがDNA損傷の程度はわからないこと、等の説明がありました。また、顕微授精ではやはり先天異常のリスクが相対的に高くなるので、精子の状態があまりに悪い人には、不妊治療を許可していないということでした。

ここでなら私達の不妊治療が見込みのあるものなのかどうかようやく白黒はっきりさせられるかもしれない、が、それは自分の望まない結果かもしれない、という期待と恐怖が混じった複雑な気持ちで、精子のDNA損傷を調べられる最も詳しい検査を予約して帰りました。

 

男性不妊の詳細検査

検査をしてから結果が出るまでに日数がかかるため、検査には夫1人で行ってもらい、結果説明のときは2人で受診しました。

検査の日は、夫は血液と精液の両方を採ってもらったようです。エコーや触診もあり、1年前に手術を行った精索静脈瘤はきれいに治っていて、再発はしていないことを確認してもらいました。

検査結果説明の日は、大変緊張しながら通院したのを覚えています。子供を授かることは無理ですからあきらめてくださいと言われたらどうしようと思い、診察までの待ち時間が異常に長く感じられました。

夫の担当医の先生とはその日が初対面でしたが、大変朗らかな方で、たまに冗談も言ったりするような、これまでのレディースクリニックではお会いしたことのないようなタイプの先生でした。

結論としては、不妊治療継続の許可が出ました。ホルモン値がよくなく鬱であってもおかしくないレベルであるし、精子数が少なく運動率が低く奇形も多いが、奇跡的にもDNA損傷していない精子はいるため、薬を飲んで精子を増やした上で良好な精子を選別すれば勝算はある、ということでした。

検査結果の説明の後は、食事や運動などの生活習慣を見直すように指導がありました。有酸素運動をすること、ノートパソコンを膝に置いて作業しないこと、ブリーフでなくトランクスをはくこと、カフェインを摂り過ぎないこと、ショートニング、マーガリンを避けること、アセスルファムK等の人工甘味料を避けること、週2~3回は出しておくこと、等々、多岐に渡る注意事項がありました。

これまで、私は、レディースクリニックの先生に言われなくても、自主的に調べて、食事に気を付けたり、サプリメントを飲んだりしていました。一方、夫は元々煙草も吸わずお酒もほとんど飲まないというのもあるのですが、特に何も生活習慣を改めたりはしておらず、少々イラ立っていましたので、ようやく言ってくれる人が現れた、とほっとしたのを覚えています。

特に食生活については、血液検査で中性脂肪が高く出ており、「前日に肉食った?」と聞かれて恥ずかしい思いをしていました。実際、夫は検査の前日の夕食に、気合を入れるためと言ってケンタッキーフライドチキンを食べていました。

ありがたいことではあるのですが、元々夫は冷凍食品やスーパーやコンビニの総菜に抵抗がありませんでした。一方私はというと、専業主婦の母の持つアンテナは高く、マーガリンや総菜の古い油はよくない、等散々言われていたので、できる範囲で食事には気を付けていました。そのため私が仕事から帰ってきて自炊をして疲れた顔をしていると、なぜ冷凍食品や総菜を使わないのか、と夫に怒られていました。理不尽に思っていましたが、先生のおかげで、ようやく市民権を得ることができました。これ以降、夫は、食事には積極的に注意を払ってくれるようになりました。

 

ともかく、まずは夫の精子を増やす、ということになりました。サプリメントや薬を処方してもらって、月1回精液検査をしながら、効果を確認してもらっていました。

はじめはコエンザイムQ10クロレラカルニチン等のサプリメントを試すことになりましたが、あまり効果が出ず、最終的にはコエンザイムQ10だけが残りました。

それでもAQ10だけでは十分に精子が増えなかったため、更にクロミッドを飲むことになりました。夫は1回目の採卵の前にもクロミッドを飲んでおり、そのときには、吹き出物や突き刺すような空腹感に悩まされていたので心配したのですが、今回はそのときの半分の量で、特に症状は出ずに済んだようでした。

 

先生から治療継続のGoサインが出たことと、生活習慣の改善でまだやれることがあるとわかったことから、また希望を持って、不妊治療を続けようという気持ちになることができました。