おもちの日記

不妊治療の振り返り、現在の育児のこと、趣味のことを綴ります

不妊治療8:精索静脈瘤手術

夫の治療の状況

1つ目のレディースクリニックの初診の検査で男性不妊の判明した夫は、クリニックに週末だけ来られている泌尿器科の先生に診ていただいていました。

最初の診察で精索静脈瘤が見つかったため、半年先に手術を予約しましたが、この半年間も惜しかったので、先生達からの勧めもあり、私達は手術を待たずに顕微授精を進めていました。といっても手術までの間に行った採卵は1回だけでした。夫は採卵前まではクロミッドを服用し、診察を受けていましたが、採卵が終わった後は、通院はしていませんでした。

手術は、レディースクリニックではなく、泌尿器科の先生の普段お勤めの大学病院でしていただきました。そのため事前に2回、その大学病院に通院しました。1回目は先生の診察を受け、2回目は手術の際の麻酔が問題ないか確認するための採血等の検査をしてもらっていました。麻酔の方法は、脊椎麻酔と全身麻酔から選べたのですが、私と同様これまでに入院経験のない怖がりの夫は、意識のないうちに手術の終わる全身麻酔を選びました。

 

2泊3日の入院手術

私の怒濤の繁忙期が終わり、2回目の凍結胚移植の判定日を待っていた頃、ようやく夫の精索静脈瘤手術の日がやってきました。病院によっては日帰り手術をしているところもあるようなのですが、夫の場合は2泊3日の入院でした。ちなみに、保険適用でした。

 

初日は午後から入院で、一応私も午後休をとって付き添いました。

この日はまず入院の手続きをした後、病室に案内され、食事や風呂トイレ等について説明を受けて夫がパジャマに着替えました。しばらくすると、剃刀を携えた看護師さんが現れ、私はカーテンの外に出るよう言われました。事前に、手術の邪魔にならないように下の毛を剃ってくるよう指示されていたのですが、きちんと剃れているかのチェックを受けていました。

病室は大部屋だったのですが、同じ部屋には夫の他に2~3名の方がおり、そのうち1人は夫と同じ手術を受けるようでした。その方には奥様とお子さんが付き添っていました。確か以前先生が2人目不妊精索静脈瘤手術を受ける方はわりといる、というようなことをおっしゃっていたので、なるほどと納得しました。

夕方頃、先生からお話があり、再度手術の内容やリスクについて説明していただき、私は帰宅しました。

 

2日目は手術の日で、私は全休をとって朝から付き添いました。夫は全身麻酔で意識がなくなるので、万一何かあったときに判断ができるよう、家族の立ち会いが必要、ということでした。

担架に寝かされた夫が手術室に運び込まれるのを見送るのは、さすがにゾワっと鳥肌が立ちました。子供さえ望まなければ、健康な夫の身体にメスを入れることもないのに、と後ろめたい気持ちになりました。

手術は数時間だったと思います。その間、私はデイルームで持ち込んだ昼食をとったり、1ヶ月半後に控えた会社の昇進試験の勉強をして過ごしました。あらかじめ聞いていた手術の所要時間を少し越えて、少しハラハラした記憶があります。

手術が無事終わり、昏睡状態の夫が病室に運び込まれた後は、私も病室で過ごしました。さすがに意識のない夫の隣で試験勉強をする気はおきず、小説を読みながら夫が目を覚ますのを待ちましたが、小説もほとんど頭に入ってきませんでした。

数時間後、もう夕方だったと思いますが、夫が目を覚ましました。私が病院にいた間は夫はまだぼんやりとしていて、私は飲み物を頼まれて買いに行ったり、たわいもない会話をしたり、再び眠る夫のそばで小説を読んだりして過ごしました。

後に夫から聞きましたが、面会時間が終わり私が帰宅した後に麻酔が切れたようで、大分痛かったようです。

 

3日目は私は付き添いませんでしたが、先生の診察を受けて無事退院しました。

 

術後の経過

夫は退院の2日後にレディースクリニックの方で再度先生の診察を受け、傷口が閉じていることを確認してもらっていました。傷口は溶ける糸で縫われているため、抜糸は必要ないようでした。

その後は、手術当日の夜ほどではありませんが、1週間ほど鈍痛はあったようです。

また、術後しばらくは便秘に気を付けるよう指示があり、夫は少し落ち着かないようでした。便秘でいきむと傷口が痛むだけでなく、静脈瘤が再発してしまう恐れがあるとのことでした。

傷口の傷みよりも、毛を剃ったことによるチクチクに悩まされていた期間が長かったように記憶しています。手術の2カ月後に温泉に行く予定にしていたので、恥ずかしくないか気にしていました。一応個室風呂もあるところを予約していましたが、その頃には特に問題なく大浴場に入れるようになっていたと思います。

数ヵ月後の診察で、静脈瘤がなくなったことを確認してもらいました。

 

手術の効果

元々先生は、手術の効果が出るまでに半年はみておいた方がよく、半年経ってももしかすると精液検査の数値は改善しないかもしれないが、数値に現れない精子の質は改善するはず、とおっしゃっていました。

実際、術後1年くらいはクロミッドは服用せずに、月に1回精液検査をして手術の効果を確認していました。残念ながら、若干数値はよくなったものの、WHOの基準値を超えることはありませんでした。

私達は、手術の効果はあったと思うことにしていますが、早く技術が進化して、このようにまだ明らかになっていない特性が見える化されるといいなあと思います。